レビュー【Star Birds】宇宙の渡り鳥 | 陽気なクラフト自動化ストラテジーゲーム

様々な惑星で資源を採掘してクラフトを自動化し、宇宙を旅していく穏やかなストラテジーゲーム『Star Birds スターバーズ』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
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- ストーリー
- 未知の素材を求めて宇宙を旅する鳥たちの物語
- 攻略
- 複数の惑星間で資源を採掘しクラフトを自動化してクエスト攻略するストラテジーゲーム
- 評価
- 惑星上から惑星間へとクラフト経路を広げていく考える面白さも、コミカルな物語も楽しめる
Star Birdsの概要
タイトル | Star Birds |
---|---|
開発元 | Toukana Interactive |
販売元 | Toukana Interactive, kurzgesagt – in a nutshell |
発売日 | 2025年9月10日早期アクセス開始 |
対応機種 | PC |
ジャンル | ストラテジー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC早期アクセス版(マウス使用) |
Star Birdsのストーリー
宇宙に旅立ったスターバーズ

本作の主人公は鳥たち。
太陽のように豊かな自然環境を育むサブレナという恒星のおかげでとんでもない進化を遂げ、今や高度技術を持っている鳥たちだ。
そして、宇宙航行技術をも編み出した鳥たちは、いよいよ宇宙へと飛び出す。
広い宇宙にはまだ見ぬ資源や無限の可能性が待っているはず。
更なる富、いや鳥たちの進化を願い、キャプテンを中心としたスターバーズ隊は宇宙へと旅立った。
おそらく人間より進化した鳥たちは宇宙ステーションに乗り込み、まずはサブレナ星系に浮かぶ小惑星から資源を集め始めた。
銀河の果てに不思議素材

小惑星からは鉄やアルミニウムからウランまで様々な資源を採掘できる。
現実の地球にもある、知っているような物質ばかりだ。
しかし、その中に見たこともない物質が紛れていた。
ストレンジレッドと名付けられた謎物質は、重力を無視して浮かぶなど得体の知れないパワーを秘めているようだ。
最先端の鳥技術で分析したところ、ストレンジレッドは遠く離れた星系からやってきたことが分かった。
これは一攫千金、大出世、いや鳥世界の救世主になれるチャンスだ。
プレイヤーは、さらなるストレンジレッドを目指してロケットに乗り込んだスターバーズたちとともに、未知だらけの宇宙を旅していくことになる。
Star Birdsの攻略情報
セクターごとに物語が進む

本作のキャンペーンでは、小惑星群から成るセクターごとにスターバーズの物語が展開していく。
各セクターには特定の貴重物質を一定数手に入れるといった最終目標が設定されており、達成すると次のセクターへと移動できる。セクター=ステージのような感じだ。
しかし、各セクターでは最初からいきなり最終目標を目指せるわけではなく、いくつかのクエストを攻略して最終目標に行き着くことになる。
各セクター内の小惑星では、それぞれから異なる素材を採掘できる。
そして採掘した素材を生産設備に集めてクエスト攻略に必要な素材をクラフトする。
これが本作ゲームプレイの基本だ。
なお、次のセクターに移動した後でも攻略済みのセクターに戻って続きから再開することもできる。
各セクターには最終目標とは別に、よりやり込みが求められる追加目標が設定されており、攻略すると設備のアップグレードなどをアンロックできる。
採掘とクラフトと運搬

セクター全体のマップから小惑星を選択すると、その惑星だけの画面に切り替わり、その地表に様々な設備を設置して採掘とクラフトを行う。
設備間は自由に伸ばせるハイプで繋げることができ、それによって素材を別の設備へと運搬してクラフト経路を作っていくことになる。
- 産出設備
- 素材が埋まっている場所に設置すると採掘が始まる
- 生産設備
- 素材を組み合わせて別の素材をクラフトできる
- クラフトレシピごとに生産設備の種類が決まっている
- 稼働するにはエネルギーが必要な生産設備もある
- 物流設備
- 各惑星のクレーターに発射台や着陸台を設置できる
- 発射台からは、スターバーズの拠点である宇宙ステーションや同セクター内の別惑星へ素材を運ぶことができる
- クラフトに必要な素材は1つの惑星上で集まるわけではなく、不足素材は他惑星から生産設備を設置した惑星へ運搬しなければならない
プレイヤーが操作するのは、各設備を設置してパイプで繋げ、惑星間での物流を指定すること。
各設備を配置すれば、運搬も採掘もクラフトも一定の速度で自動的に行われる。
必要コストと宇宙探索

本作では、何かを行う際に2種類のコストが発生する。
- クレジット
- 設備を建築する際に必要
- 設置した設備は取り除くことができるけれど、ストックされるだけで返金はされない
- 研究ポイント
- 新たな設備をアンロックしたり、新たな惑星を見つける際に消費する
クレジットと研究ポイントは、主にクエストを攻略することで手に入る。
メインクエスト以外にも、特定の素材を一定数納品するサブクエストがランダムに発生するので、これを攻略して必要なクレジットと研究ポイントを稼ぎつつ設備を配置していく。
また惑星の地表にもクレジットと研究ポイントをが落ちていることもあり、ローバー(惑星探査車)を走らせて回収することもできる。
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Star Birdsのレビュー
物語: 意外と物語要素がある、陽気な鳥たち

黙々とクラフト経路を作るのを楽しむのが自動化ゲームというもの。
と思いきや、本作ではスターバーズ間での会話が多く、物語もしっかり楽しめる。
ちょっと抜けてるけれど勇ましいキャプテンから、やたらと威勢のいい盛り上げ役の部下、知的好奇心が最優先な部下、いたずらっ子な部下など、個性豊かな鳥たちが登場する。
コミカルな会話が多く、セクター順に物語が繋がっているので初プレイ時はやり込むより先に進みたくなる。
各セクターの前後にはカートゥーンのようなコミカルなカットシーンがあり、物語の展開を見るのが楽しい。
操作性: 痒いところに手が届いている

設備の選択と設置、そしてパイプを繋ぐ作業、どれも操作しやすい。
セクターが進むごとに新要素や新しい設備が一つずつ登場するので、着実に理解しながらゲームを進めることができる。
チュートリアルも分かりやすい。
設備や惑星が増えるにつれて複雑な経路を組まなければならなくなっていくけれど、物流の経路が色分けされていたり、物流が滞ってしまっている箇所では設備のアニメーションが変わっていたりと、目で見て状況を把握できるようになっているのが助かる。
UIはごちゃごちゃしていないものの、各箇所をクリックすれば発射台からの行き先や素材のクラフトレシピもサッと参照できるようになっており、必要な情報にアクセスしやすい。
ゲームシステム自体だけでなく操作周りも賢いゲームだ。
難易度: しっかり複雑になっていく

難易度選択はできないけれど、本作には失敗やゲームオーバーはない。
クレジットや研究ポイントを稼ぐ補給クエストは複数から選択できるので、その時点で達成しやすいクエストを選択でき、クレジットも研究ポイントもザクザク溜まっていく。
というわけで、攻略に詰まることはない。
しかし、簡単というわけではなく、ゲーム進行と共にクラフトは複雑化していく。
設備も素材の種類も増え、惑星上が設備とパイプで埋め尽くされていく。
しかもパイプ同士を交差できなかったり、日当たりのいい場所でないとエネルギーを生み出せないといった制限もあるので、小惑星上でうまく設備とパイプを配置していくパズルの面白さも味わえる。
「この素材をあっちへ運んで、ここには生産設備を設置するスペースが足りないからあっちの惑星を使って」と、こんがらがりそうになりつつも各惑星の状況と物流を頭の中で整理しておくことが大事。
また、各セクターに設定されている追加目標の達成はなかなか大変で、やり込むことはもちろんのこと賢さと効率性もしっかり求められる。
システム: 物流と自動化にパズルまでうまく練り込まれている

各小惑星で素材採掘とクラフトを自動化、そして惑星間で素材を行き来させて更に大きな枠組みでのクラフト経路を作る。
小さな自動化を大きな自動化へと組み込んでいくのが面白く、さらに各惑星が小さいことで空間を有効活用するパズル要素も楽しめる。
そしてそれが物語仕立てになっている。
というわけで、要所要所で面白い要素がツボを押してくるので、パイプをウネウネ伸ばしながら「うまくできたゲームだなあ」と感心してしまう。
発射台と着陸台は各惑星に限られた数しかないクレーターにしか設置できないなど縛りがありつつ、各セクター内に複数の小惑星があるのでどうクラフトの経路を組むかはプレイヤー次第。
1つのクラフト経路を作る際に制限と自由さが小気味良く影響してくるので、複雑になればなるほど考える面白さが加速する。
芸術性: 見た目のキュートさがとっつきやすさの秘訣

本作は可愛いフラットなイラストで描かれる。
自動化ストラテジーゲームというと、無機質だったり硬い印象のゲームが多いけれど(それはそれで機械的なかっこ良さが味わえる)、本作は自動化ゲームに馴染みがない人にもとっつきやすい柔らかい見た目なのが魅力。
本作の開発には科学的なトピックを映像化するのが得意なアニメーションスタジオが携わっており、クオリティ高いオシャレ且つ可愛いグラフィックでプレイを楽しめる。
登場する素材はウランや炭素など化学名で呼ばれるけれど、見た目はカラフルにデフォルメされており見分けやすい。
上述もしたけれど、UIや色の使い方などがインフォグラフィックのようで上手い。
携わっているアニメーションスタジオによるものだろうか、センス抜群だ。
BGMは陽気で、パイプを繋げた時などのパチッという効果音も気持ち良く、聴覚的にもとっつきやすい。
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Star Birdsの総合評価
Star Birds

総合評価
惑星上の小さなクラフト経路を惑星間の物流へと大きな経路へと組み込んでいく、複雑になるほど考えるの面白さが加速する自動化ストラテジーゲーム。物語も楽しめ、とっつきやすい陽気な雰囲気も魅力。
長所と短所
良いところ | 空間を有効活用するパズル要素も楽しめる コミカルな物語も楽しめる | 小さくも大きくも組むクラフト経路を考えるのが面白い
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残念なところ | 特になし |
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- 自動化の動線を考えるのが好き
- 要素が多いほど燃える
- 可愛く陽気な雰囲気が好き
おすすめではない人
- マルチタスクが苦手で楽しくなくなってしまう
- 一面に広がる巨大工場を作りたい
- 複雑なゲームが苦手
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