『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』レビュー: 親方!空から勇者が!
『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』とは、任天堂が開発したアクションアドベンチャーゲーム。人気シリーズ『ゼルダの伝説』の一作だ。
本作は、2011年にWiiで発売された『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』のHDリマスター版であり、Nintendo Switch向けにリメイクされたもの。
本作はNintendo Switchでプレイ可能。私はオリジナル版は未プレイなので、初スカウォだ。
ちなみに、本作は『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』に繋がりがあるとのことで、同作発売前にリメイクされた。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
上空で目を覚まして
「リンク…リンク…目を覚まして」というゼルダ姫からの脳内直接メッセージで目を開ける。『ゼルダの伝説』お馴染みのオープニングだ。
だけど、本作はちょっと違う。確かに、主人公リンクはゼルダからの手紙で目を覚ますけれど、単なる寝坊だ。
本作のゼルダは姫ではなく、リンクの幼馴染。リンクは騎士学校の生徒だ。
で、2人が住んでいるのは、上空に浮かぶスカイロフトという平和な浮島。地上のことは全く知らずに平和に暮らしている。
ゼルダとリンクは仲良しこよし
寝坊しているけれど、今日は大事な試験の日。
リンクをライバル視する3バカトリオに邪魔されたりもするけれど、リンクは溢れんばかりの主人公補正で鳥乗りの儀で優勝する。こうしてリンクは無事に騎士学校の上級生に進級する。
いやー、良かった良かった。
というわけで、のほほんと鳥に乗って、ゼルダと空のお散歩に出かける。
フラグを立てるゼルダ
穏やかにお散歩かと思いきや、ゼルダが意味深なことを言い出す。地上がどうとかこうとか。
「え、突然どうしたの?なんか嫌な予感がするんですけど…」と思ってたら、やはり。
巨大な竜巻が大発生ー!で、ゼルダはピューーーーッと雲の下に落ちていった。え、ゼルダ、死ん…。
やっぱり勇者
でも、大丈夫!主人公とヒロインだから!
リンクは、ファイという名の半透明な水色精霊から、リンクもゼルダもそれぞれ使命を負った身ということを知らされる。更に古代から伝わる剣も手に入れる。
ゼルダは生きていて、既に大地でいそいそと使命を果たしていっているらしい。
とにかくゼルダを助けなければ!ということで、未開の大地へと身投げ同然で降りていき、リンクは試練に挑むことになる。
ゲームの特徴Features
空と大地でワイワイ
冒険の舞台は、上空と地上。
上空では、拠点であるスカイロフトと点在する浮島を冒険する。島から島へはロフトバードに乗って移動する。
上空の特定の地点からは、地上に降りることができる。地上では、基本的に探索とダンジョン攻略。魔物もわさわさと登場する。
地上では、ダンジョン外にあるセーブポイントから上空に帰還可能。装備品やアイテムが枯渇したら、一旦スカイロフトに退却することができる。
右手は剣、左手は盾
リンクのアクションは、剣での近接攻撃と盾を構えてガード(ジャストガードもあり)。これがバトルの基本。
本作は、両手に持ったJoy-Conを振って操作が出来る。右手のJoy-Conを振ると振った方向に剣で斬る。左手のJoy-Conを構えれば、盾で防御できる。
それと同じことがProコンなどゲームパッドでも操作できる。右スティックを弾いた方向に剣で斬れる。左スティック押し込みで盾を構える。
何を使って操作するにしろ、この剣で斬る方向がかなり大切。敵が武器を構えていない方向から斬ったり、弱点がある方向から斬ったりしなければダメージを与えられない。
ちなみに、多くのゲームで右スティックは視点(カメラ)移動に使うけれど、本作では、Lボタン押しっぱなしで右スティックを動かすことで視点移動ができる。リンクの背後視点や敵をロックオンする時はZLボタンを押す。
道具を使って謎解き
『ゼルダの伝説』といえば、謎解きが大きな魅力。
本作でも、ダンジョンに入るまで、そしてダンジョン内でも、更にはボスの倒し方も謎解きがたくさん登場する。周りをよく見て考えなければならない。
剣だけではなく、道具も大活躍する。
パチンコや爆弾など、お馴染みのものも多いし、本作特有のものもある。冒険が進むごとに新たな道具を手に入れていく。
盾や弾は消耗品なので、使いどころはよく考えければならない。
寄り道もお忘れなく
ゼルダ命!で先へ先へと突っ走ってもいいけれど、寄り道もたくさんある。
特に消耗品の弾数を増やしたり道具をアップグレードするための買い物や素材集め、またサブクエストも大切。
敵をいくら倒してもリンク自身がレベルアップするわけではないので、寄り道で得られる報酬で装備を強化するしかない。
また、スカイロフトには日中と夜の時間帯があって、NPCたちの行動も違う。時間帯を変えることで発生するサブクエストも多い。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.5
『ゼルダの伝説』シリーズは、常に勇者リンクがゼルダを助ける。でも、舞台設定は毎回変わる。
ところが、シリーズ作は時系列的には繋がっていて、同じ世界が舞台だ。
本作は、その中でも1番過去の物語。シリーズファンなら、夢中になるエピソード満載。
でも、「時系列とか知らないんですが」っていう人でも大丈夫。
上空と大地っていう世界設定が魅力的で、運命に翻弄されるリンクとゼルダの物語にはすぐに夢中になる。
クドくなく、でも熱いストーリー展開。やはり『ゼルダの伝説』は物語も上手い!
キャラクターの魅力
5.0
NPCが最高。他のシリーズ過去作に比べて表情が豊かで、びっくり。それぞれのキャラがコミカル。
特に昼と夜でガラッと性格(口調まで)が変わる奴とか。ツッコミどころだらけで、終始笑える。
会話中に選択肢も登場する。無礼で失礼すぎる選択肢もあって、絶対選びたくなる。
敵もいい感じに気持ち悪い。ずっと真面目なのはゼルダとガイド役のファイ(半透明青色精霊)ぐらい。
操作性
3.5
私は疲れたくない面倒くさがりなので、ずっとProコントローラーでプレイ。
右スティックで剣を振るという独特な操作。これは楽しい。せっせと草刈りしてしまう。
でも、カメラ操作や道具の扱いなど、最近のゲームのよくある操作方法とは違う(そもそもオリジナル版が発売されたWiiは独特な操作のコンソールだった)。
慣れるまでは、道具を構えては止め、やっぱり構えたけど何故か無駄撃ち。右を見たいのに、剣で虚空を斬る。という挙動不審者になってしまった。
正直、最新ゲームに比べると操作性は悪い。逆に言えばオリジナル版を忠実に再現しているので、そういうもんだと割り切ってプレイした方がいい。
難易度バランス
4.0
バトルは、敵が武器を構えている向きを見て剣を振る方向を決める時間的な猶予がちゃんとある。なので、ハイペースなバトルではない。
剣で斬る方向など動作がメインとなっているゲームなので、敵の強いという難しさではない。正しい方向から正確に斬流ことが求められている。
探索中は、「ゼルダ脳」になる良い謎解きばかり。
謎解きは、ファイにヒントをもらえるけれど、実際にはヒントは必要ない程度だ。
でも、簡単っていうわけじゃない。解き方が分かっても、そこからはアクションの難しさもある。上述の独特な操作性で難しさが増しているところもある。
ゲームシステム
4.5
オリジナルは昔のゲームなのに面白すぎるんだが。それが本作の感想。
リメイクとは言っても、システムや見た目は古いまま。でも、ハマる。なぜだ。これがゼルダ品質だ。
よく考えられた謎解き、バトルでも考えながら戦う。頭も手もフル稼働で「なるほどなるほどー!」と唸るシステムばかりで、純粋に脳みそが喜ぶ。
いつプレイしても面白い。これが良いゲームってヤツだ。特に私は初見プレイなので、普通に新作として楽しい。
やりこみ要素
4.0
NPCはそんなに多くはないし、それぞれのマップは広くはない。
でも、昼と夜があったり、道具を手に入れてから前のエリアに戻ると解けるようになっている謎解きがあったり。ミニゲームもあるし。やり込み要素は豊富。
でも、やっぱり草刈りと虫捕りに1番夢中になる。ついついゼルダ救出を忘れて、小学生の夏休みを満喫してしまう。
グラフィック
4.0
リマスターされてるけれど、まあ、最新ゲームに比べれば見劣りはしてしまう。輪郭のカクカクさは否めない。
ただ、本作で1番印象に残るのはキャラクターの表情の豊かさ。
登場人物総出で顔芸してて、NPC一人一人に愛着が湧く。
3バカトリオ筆頭のバドがしょんぼりすると、前髪もショボーンと垂れる芸の細かさには心奪われた。
サウンド
4.5
にぎやかなBGMが流れている。で、敵が向かってくると、そこにズンチャズンチャと音が足されるのが気分盛り上がって良い感じ。
謎が解けた時のアノ効果音、新しい道具を手に入れた時のアノ効果音。ついつい一緒に口ずさんでしまう。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
アイデア満載の謎解き
剣を振る操作が独特でハマる
NPCが個性的
シリーズファンにはたまらない物語
残念なところ
操作性や挙動はひと昔前
独特な操作方法で慣れるのに少し時間がかかる
オススメな人
『ゼルダの伝説』シリーズファン
個性的な操作を味わいたい
オリジナル版が好きだった
オススメではない人
操作性が良くないと我慢できない
強い敵とのバトルを期待している
本作はブレワイ続編に関わりのある物語。本作とブレワイをプレイして続編に臨むのがおすすめ。シリーズ最高傑作なので、一度プレイしておいて損はない。
もっと昔ながらのゼルダを堪能したいなら、こちらがオススメ!現代的にアレンジされたフルリメイク作。
ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD
©Nintendo
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