『No Rest for the Wicked』早期アクセスレビュー: サクラ島への危ない移住計画 – ノーレストフォーザウィキッド
自力で進む旅路と歯ごたえのあるバトル、そして美しく厳しい世界が味わえる『No Rest for the Wicked ノーレストフォーザウィキッド』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。
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No Rest for the Wicked製品情報
タイトル | No Rest for the Wicked ノーレストフォーザウィキッド |
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開発元 | Moon Studios |
対応機種 | PC(早期アクセス中) PS5, Xbox(発売予定) |
ジャンル | アクションRPG, 見下ろし型アクション, |
本作は、名作メトロイドヴァニアのオリシリーズ開発元の新規IPであり、ゲームジャンルもゲームプレイもオリシリーズとは大きく異なっている。
本稿は、PC向けの早期アクセス版をゲームパッドでプレイした際のレビューを行っている。今後、正式リリースまでに内容が変わる可能性があるので、ご注意を。
No Rest for the Wickedの攻略
ストーリー
ハロル王の死とペスティレンスの蔓延
とある王国(世界の名前はプレイヤーが好きに付けられる)の王様が亡くなった。
跡を継ぐのは、亡くなったハロル王の息子であるマグナス王子。父親を超えたい危うい野望に満ち溢れ、いけすかない笑みがチャームポイント。
そんな王子に早速取り入っているのが、聖職者マドリガル。落ち着いた口調だけど冷たい印象で、どこからどう見ても野心家だ。
悪政物語が始まりそうだけど、新王には大きな課題が差し迫っている。
本作の世界ではペスティレンスという疫病が発生しており、王国本土近くのサクラ島にまで感染が拡大してきているのだ。王国のピンチ!
サクラ島へ向かう聖戦士セリム
疫病を封じ込めるため、早速マドリガルが異端審問官を連れてサクラ島へ向かった。ここで功を立てて一気に出世しようという魂胆だ。
そんなマドリガル率いる立派な大船団とは雲泥の差の、ならず者ばかりが乗る一隻の船もサクラ島へ向かっていた。
その船に乗っているのが、本作の主人公だ(名前含めキャラクリエイト可能)。
主人公はならず者の一味というわけではなく、聖戦士セリムと呼ばれる一族の末裔だ。
聖戦士セリムはペスティレンス根絶の使命を負っており、主人公はサクラ島へ向かっていた。
セリムは聖戦士とはいうものの、ならず者にさえ気味悪がられているし、そもそも立派な船に乗れるような身分でもないらしい。
ペスティレンスと人間の恐ろしさ
ここで、残念なお知らせだ。サクラ島目前にして、主人公の乗る船は正体不明の集団に襲撃を受け、更に嵐によって船が大破してしまった。
しかし、主人公は主人公なので大丈夫だ。主人公はボロボロ状態ながら無事にサクラ島の海岸に漂着した。
サクラ島を進みながら、主人公は、感染した人間が異形化して人を襲うペスティレンスの恐ろしさ、そして半壊したサクラメントの町や、ならず者達が闊歩する廃墟などを目にする。この島、どっちを向いても治安が悪すぎる。
更に、冷徹マドリガルもサクラ島に到着し、王国の政治に不満を持つ島の住民達の鼻息が荒くなってきた。治安終わってるサクラ島はピリピリムードだ。
しかし、主人公は聖戦士セリムとしての使命を粛々と果たすのみだ。人々の思惑に揉みくちゃにされながらも、主人公はサクラ島の平和を願って奮闘することになる。
攻略のポイント
自力でサバイバルするアクションRPG
本作は、クエスト攻略でゲームが進行していく。もちろんサブクエストや討伐クエストもある。
本作は見下ろし型アクションRPGだけどマップには高低差があり、梯子や段差を登りながら探索していく。
マップ画面では、探索した場所は開示されるけれど、時間経過と共に見えなくなっていく。
本作では一度探索した場所でも時間経過やゲーム進行によって敵や状況が変わるので、マップ画面で暗くなってしまった場所を再訪する時には注意が必要だ。
また、本作にはクラフト要素があり、フィールド上やショップで様々な素材を手に入れ、料理やクラフトなどで自給自足なサバイバルをしながら旅することになる。
スタミナ管理とパリィが肝のバトル
主人公は様々な武器種で戦うことができる。
基本の立ち回りは、武器での近接攻撃と回避とパリィだ。
パリィに成功すると敵はひるむ。さらに敵には体勢ゲージがあり、パリィや攻撃で体勢ゲージが溜まりきると一定時間スタンする。
一方で、主人公にはスタミナゲージがあり、スタミナ切れになれば移動以外のアクションが出来なくなる。
また、敵に攻撃を当てる度に集中ゲージが溜まり、それを消費して各武器付属のスキルを発動することができる。
主人公のレベルアップと装備
本作では敵を倒すと経験値を獲得し、レベルアップ時には能力ポイントを獲得する。それを任意のステータスに割り振って主人公を成長させていくことになる。
また、装備品にはレアリティがあり、素材を使ってスキルの付け替えや強化も出来る。
レアリティが高いほど性能は良いけれど、強力なメリットと共にデメリット付きの感染した装備もあるので注意。
ただし、装備品には必要能力値と重量の概念もあるので、なんでもかんでも装備できるわけではない。
更に、装備品には全て耐久度がある。素材を採取するツルハシや斧にも耐久度がある。
そして、この耐久度が本作のデスペナルティとなる。使用しても耐久度は少しずつ減っていくけれど、ゲームオーバーになると装備品含めアイテムの耐久度がガバッと減ってしまう。
壊れた装備品は、鍛冶屋さんでお金を払うと修理してもらえる。また、特定のアイテムを使うと耐久度を回復することも出来る。
サクラメントで生きていく
本作では、サクラメントの町が拠点となる。
しかし、最初は半壊状態で、住人達は聖戦士セリムに対してあまり良い印象を持っていない。
そんな住人達からはサブクエストを依頼されることがある。また探索中に手に入る素材を渡せば、町の復興工事も依頼できる。
果てには、町に自宅を構えて作業台などを設置しクラフトに勤しんだり、家具を集めて装飾も楽しむことが出来る。
こうして、聖戦士気取りのヨソ者から、サクラメントの頼れるご近所さんになっていくわけだ。
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No Rest for the Wickedの評価と感想
早期アクセス版開始時での評価です。正式リリースまでに変わる可能性があります。
物語の面白さ
サクラ島には、考え方の異なる人々が住んでいるし、更にそこにマドリガルはじめ真意を読みにくい人たちも集結して来る。
ペスティレンスに人類一丸となって戦わなくてはならないはずなのに、それぞれの思惑が邪魔をして感情が激しくぶつかり合う人間ドラマが展開する。
世界設定や登場人物は分かりやすくも濃く、結末含めて今後の展開がかなり楽しみになる良い材料が揃っている(早期アクセスでは最初のチャプターまでプレイ可能)。
ペスティレンスの元凶は何なのか(もちろん根絶を目指す物語になるだろうけど)、王国の行く末はどうなってしまうのかはもちろん気になるところ。
そして、実はサクラ島には聖戦士セリムの遺跡が点在しているという、考察欲をくすぐる謎も用意されている。
キャラクターの魅力
主人公にセリフはなく、粛々と戦う。粛々と面倒ごとに巻き込まれる。
NPCたちはかなり活きが良く、町を歩けばあちこちから話し声が聞こえてくる(英語フルボイス)。
NPCに話しかけると、1人のキャラにセリフが複数用意されており、モブキャラ1人1人までもしっかり性格づけされていて、キャラ作りが丁寧だ。
基本的に深刻で重めなテーマが描かれているけれど、特に重要キャラ達は血気盛んなので、活き活きとした力強い雰囲気で物語が楽しめる。
操作の快適さ
本作は見下ろし型アクションRPGなので、ディアブロシリーズが頭に浮かぶけれど、本作はそうしたハクスラアクションRPGのようなサクサク手触りではない。
挙動は重め。装備を軽装にしても重ための操作感だ。
そして、武器種やスキルによる挙動の違いをしっかり感じられるので、装備変更が楽しい。
しかし、重ためな挙動とは裏腹に、回避や武器の振りなどアクションによる主人公の体の動きは大きめ。そのため、見下ろし型でもダイナミックなバトルが味わえる。
ところが、本作では回避ボタン長押しでダッシュ移動となり、ダッシュ状態で離れた足場にジャンプしたり、段差をよじ登るアクションが自動で行われる。
正直なところ、本作はフィールドもキャラも視認性があまり良いとは言えず、足場の悪い場所も多いものの、ジャンプが自動操作なので立ち回りにくかったり、ローリングでの移動距離が意外と大きくなって無駄な落下死をしてしまうのが気になった。
うーん、ジャンプを操作するボタンは独立させても良かったのでは。本作はマップの高低差が魅力なので、主人公も立体的な動きを活かしたいと思ってしまう。
難易度バランス
本作は、歯ごたえしっかりバトルだ。
バトルではスタミナが1番の敵だ。ゴロゴロッとローリング回避しただけで息切れして武器をバシバシ振るう余裕はなくなる。アクションによるスタミナ消費が激しく、よく1人でサクラ島に乗り込んできたなと思うくらい足腰と心肺機能に不安を抱えている。
しかも、レベルアップしても各ステータスの上昇率は少なめだ。
というわけで、パリィを狙うのがかなり有効な戦法となる。装備品の強化ももちろん大切だ。
当たり判定はやや甘めだけど、パリィのしづらさを感じることがある。というのも、本作は見下ろし型でありつつも、3次元的に判定される。見づらさを感じる場面が多いので、縦に武器を振るったりジャンプしたり立体的な攻撃を繰り出す敵のパリィタイミングはやや掴みにくい。
また、雑魚敵は複数で攻めてくることが多いので、敵を一体ずつ引き離して戦うことも必要だ。本作はマルチプレイも可能なので、今後プレイ人数によって難易度調整が行われるのかは気になるところ。
他のゲームで強引に例えると、2Dなディアブロ視点で3Dのソウルライクゲームに多い攻防交えるバトルをやってる感覚だ。
最初は「敵の攻撃を細かく見れる3Dアクションな立ち回りを見下ろし型でやるってか!?」と思った。
でも、ちゃんと丁寧に作られているので、本作の距離感(奥行き感)に慣れれば、本作ならではの歯ごたえが味わえるバトルが楽しめる。
ゲームシステムの面白さ
操作周りは気になるところがあるものの、本作は探索とサバイバルが楽しくてどんどん旅したくなる。
マップは高低差に富んでおり、意外な場所に抜け道があったり隠し部屋があったり、回り道して有利な場所から敵に攻撃を仕掛けたりも出来る。上方や下方に宝箱を見つけて「あそこには、どこから行けるんだ?」と道を見つけるワクワクが湧きまくる。
また、本作ではセーブポイントで体力回復するわけではなく、装備品も壊れていく。
料理やクラフト、装備の修理や強化などが必須で、それによって自力で旅している感が高まるので、サクラ島探訪にどんどん没頭していく。
フィールド上の資源は早いペースで再生するし、宝箱も時間経過で再出現して装備品もたくさん手に入るので、良いテンポでサバイバルできる。
見下ろし型でここまで手の込んだ探索や旅が楽しめるゲームは珍しい。ただ、バトルも考慮すると「3D視点でも面白いゲームになっただろうな」と元も子もないことが頭にチラチラ浮かんでしまった。
やり込み要素の楽しさ
まずは、 サブクエストとサクラメントの町復興が挑戦しやすいやり込み要素だ。
サクラメントの町で自宅を手に入れると、装飾も楽しめる。
また、モンスターや強敵などの討伐クエストは定期的に豊富に発生する。
そして、装備品を集めてお気に入り武器を強化したり、キャラビルドを楽しむのもやり込み要素だ。
同じレアリティの同名武器でも重量や攻撃力が細かく異なるので、装備品の吟味はハマるポイント。
もちろん探索もやり込み要素だ。かなり入り組んだマップ構造で「ここ通れるよ!」という親切な目印はないので、壁に見える場所でもまずは登頂を試みるという姿勢が大事。
今後はストーリーやエリアの追加だけでなく、農業やPvPといった新たなコンテンツも登場予定とのことだ。
グラフィックの芸術性
絵画のような美しいグラフィックで描かれる。
それが仇となって視認性が低くなっているところもあるけれど、個人的には大好きなアートスタイルだ。
このグラフィックで描かれるカットシーンはずっと見ていたくなる。力強い筆致が本作の雰囲気にぴったり。
キャラデザインも魅力的で、装備品によって主人公の見た目が変わるのも嬉しいところ。実際には、装備重量を気にして布切れファッションになることも多いけれど、聖戦士なのに。
一方で、サクラ島はペスティレンスが蔓延しており全体的にはダークな雰囲気ではあるけれど、美しい花や森など自然も豊かで風景に見惚れてしまう場所も多い。
サクラメントの復興は、街並みが視覚的に変化するので特に楽しいポイントだ。
サウンドの魅力
平常時のBGMはほぼなし。ほぼ環境音のみだ。
でも、雨音や木の床が軋む音、人の声や敵の唸り声など環境音がにぎやかで静かな印象というわけではない。
BGMが流れる時は、勇ましく壮大さを感じる曲が多く、グラフィックと併せて高い芸術性を堪能することができる。
本作と似ているゲームや関連作は更に下へ
No Rest for the Wickedレビューのまとめ
おすすめな人
- サバイバルしながらの探索が好き
- 歯ごたえのあるバトルを味わいたい
- 物語を楽しみたい
おすすめではない人
- 高精度な攻防を楽しみたい
- ハイペースなアクションや爽快バトルを期待している
- デスペナルティが嫌い
総合評価良いところ&残念なところ
正式リリースまでに変わる可能性があります。
- 見下ろし型だけど高低差に富んだマップ構造で探索が楽しい
- 活き活きとしたキャラが多く、濃い物語が味わえる
- 高い芸術性
- バトルでの操作性が快適とはいえない
- 視認性が悪いところが多い
- 任意にジャンプができない
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本作開発元が手がけた名作メトロイドヴァニア第1作目。
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No Rest for the Wicked
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