『ホグワーツレガシー』レビュー: これは夢か、いや学校だ – Hogwarts Legacy
想像した通りのハリポタ世界に飛び込んで、魔法使い生活が大満喫できる『ホグワーツレガシー Hogwarts Legacy』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
ホグワーツレガシー製品情報
タイトル | ホグワーツレガシー Hogwarts Legacy |
---|---|
開発元 | Avalanche Software |
対応機種 | PS5, PS4, Nintendo Switch, Xbox, PC |
ジャンル | オープンワールド, アクションアドベンチャー, RPG |
本作は、小説から映画化され、今やテーマパークまであるほど人気のハリー・ポッターの世界がテーマになっている。
ただし、本作は1980年代が舞台であり、お馴染みのキャラ達が登場する原作とも映画とも異なるオリジナルストーリーが描かれている。
本稿では、PS版のレビューを行なっている。
ホグワーツレガシーの攻略
ストーリー
5年生から入学する特別な編入生
ゲームは、主人公(キャラクリエイト可能で名前も好きにつけられる)がどこかの街角でフィグ先生という魔法使いと馬車に乗り込むところから始まる。
実は、主人公はホグワーツ魔法学校に5年生から編入することになっている。
ちなみに、本来はホグワーツ魔法学校は11歳から入学する7年制だ。
主人公は、特例中の超特例で編入するため、授業についていけるようにフィグ先生から入学前に魔法を教わっていたらしい。
そして今晩、遂に主人公がホグワーツ魔法学校に向かう夜を迎えたのだ。
どうして主人公がそんなに特別待遇されるのか?そこは明かされずに物語は進んでいく。
突然のファンタジーな大冒険
いよいよ空飛ぶ馬車に乗り込もうとしたところ、フィグ先生の知り合いであるジョージが訪ねてきて共に馬車に乗っていくことになる。
ジョージは、巷で噂の悪い小鬼(ゴブリン)のランロクに関する新聞記事や、フィグ先生の亡くなった妻ミリアムから預かったという謎の形見をフィグ先生に見せている。
主人公はというと、「えー、なになに?気になる気になる」と興味深々で2人の会話に交ざっていた。
と、その瞬間。
バリバリバリィーッ!
で、で、でたーー!ドラゴンだー!魔法世界だからいるとは思ってたけど、序盤から出てくるのは反則だろ!
しかも、ドラゴンはジョージさんごと馬車を食べてしまった!ジョージィーー!
しかし、急展開は更に続く。
馬車から落下しつつミリアムの形見に触れたフィグ先生と主人公は、パッとどこかへ瞬間移動した。
古代魔法、そしてホグワーツ魔法学校へ入学
なぜか断崖絶壁に瞬間移動した主人公とフィグ先生は、更になぜか主人公だけが見える古代魔法の痕跡を追っていきグリンゴッツ銀行にたどり着いた。
そこで「これは何かすごい秘密が明らかになりそう!」というワクワクな雰囲気になったところに、上述の悪名高い小鬼のランロクが突然登場する。
そして、ランロクは目ざとく古代魔法を操れる才能溢れる主人公に早速目をつけた。
ピンチ!だけど、なんやかんやの魔法的なあれこれで、主人公とフィグ先生はランロク軍団から逃げおおせることができた。もはやクライマックス!
しかし、まだ序盤だ。ここからやっと主人公はホグワーツ魔法学校に入学し、魔法使いとして成長していくことになる。
小鬼ランロクに狙われているし、古代魔法は気になりまくる。たぶん、いや絶対に穏やかな学生生活にはなるまい。
攻略のポイント
ホグワーツ中心のオープンワールド
本作は、ホグワーツ魔法学校の校内とその周辺地域が舞台となるオープンワールドゲームだ。
メインクエストと共にサブクエストやチャレンジが各地で発生する。
周辺地域には、魅力的なお店が並ぶホグズミードや小規模な村、危険なダンジョンもある。
一度でも訪れたことがある煙突飛行粉の炎が灯る場所なら、マップ上からいつでもファストトラベル出来るようになる。
もちろん徒歩移動や、魔法使いらしくホウキで飛んで移動も可能。ゲームが進むと魔法生物に乗って移動もできる。
魔法を習う
本作では、バトルでも探索でも魔法が大切。
主人公は魔法を学ぶホグワーツ魔法学校の生徒なので、もちろん学校の授業や課題などで新たな呪文を覚えることが出来る。
習得する際は、杖の振り方を実際に左スティックでなぞることになるけれど、習得後はショートカットからいつでもボタン操作のみで発動できる。
たくさんの魔法が登場するので、好みの組み合わせでショートカットを設定しておけば便利だ。
また、回復薬や補助的に使える魔法薬の作り方やその素材の育て方なども授業で学ぶことになる。実践的な授業ばかりで、授業中に居眠りしている暇はない。
魔法バトル
バトルももちろん魔法だ。ローリング回避という意外と肉体派なアクション以外は全て魔法で戦う。
ショートカットにセットした魔法だけではなく、呪いや周囲にある物を敵にぶつける古代魔法も使用することができる。
敵の魔法が飛んでくる時には、主人公の顔周りに黄色いマークが表示される。これはプロテゴ(防御魔法)を唱えれば防御できる。ただし赤いマークが表示される攻撃が飛んでくる際はローリング回避するしかない。
敵も防御魔法を使うけれど、敵の周囲に現れるオーラの色に応じた魔法を当てれば解除することができる。
また、敵に連続で魔法を当てるコンボを繋げていくと古代魔法がチャージされていき、溜まると強力な古代魔法を発動できる。必殺技みたいな扱いだ。
課題やチャレンジに挑む
メインクエストとは別に、NPCから依頼されるサブクエストや、さまざまなチャレンジも用意されている。
謎解きだったり、バトルが発生するものだったり、収集要素もある。各教科の先生から特定の目標を提示される課題が出ることもある。
バトルに勝利したりチャレンジを攻略すると、主人公は経験値を獲得する。レベルアップした際には最大HPが増える。
また、レベルとは別に、スキルポイントを消費すると、ショートカットのセット数を増やすなど便利機能が使用可能になったり、魔法の威力を高めるスキルなどをアンロックできる。
主人公の攻撃力や防御力といったステータスは、装備品によって上げることが出来る。
本作では敵や宝箱からたくさんの装備品が手に入り、同じ装備品でもレアリティが高いほど性能が良い。取捨選択や強化も欠かせない。
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ホグワーツレガシーの評価と感想
物語の面白さ
まさにハリー・ポッター。
いや、ハリーはいないけれど、物語の演出や雰囲気や内容も全てハリポタ映画の新作みたいだ。
魔法使い世界の文化や置き物一つ一つに驚きながら、先が気になる大きな謎や戦いに巻き込まれていく、まさにハリポタ体験。
原作が超大作なだけあって世界設定の分厚さはさすがだ。しかも作り込みと再現度も尋常じゃない。
そこに本作だけの物語やキャラが自然に追加されており、原作ファンでもそうでなくても、この世界の虜になるはず。
「単にハリポタ世界を使ってみた」ではなくて、もはや逆に本作で映画作れるレベル。
メインクエストばかり追いかけたくなるほど、ひたすら先が気になる。オープンワールドでは霞みがちなメインストーリーがしっかり面白い。
まあ、実際には寄り道も魅力的すぎて脱線しまくってしまうけれど。
キャラクターの魅力
主人公は良い意味で癖が強くないので物語に入り込みやすい。
会話中には、「おいおい、それは相手に失礼だろ」という選択肢も登場するけれど。主人公の「選ばれし者」感とか主人公補正は、プレイしていて単純に楽しい。
そして、NPCが大量に登場する。それぞれ個性的で魅力的に描かれているので、お気に入りの先生や友達が出来るはずだ。
サブクエストで関係するNPCの物語が深掘りされるので、余計に愛着が湧いて来る。
各キャラとの会話もたくさん発生し、会話中の表情も豊かだし、校内を歩いていればモブキャラたちの会話もそこかしこから聞こえてくる。
本当に贅沢なゲームで、キャラクターもしっかり作り込まれている。
操作の快適さ
探索でもバトルでも、魔法を発動する対象はある程度オートエイムしてくれるので、ボタンを押せばいいだけに等しい。もちろん自分で細かく狙うことも出来る。
バトルも探索でも、挙動や操作性は全く問題がない。
ホグワーツ魔法学校の校内はかなり入り組んでおり、すぐに迷子になってしまう。
しかし、ファストトラベルのポイントが細かく設置されているし、目的地までの誘導も手厚く、校内で遭難することにならないのが助かる。
周囲をスキャンをするレベリオの魔法を唱えれば、宝箱や何かが出来るオブジェクトもはっきり目視できるので目が回ってしまうことにもならない。
プレイ設定やカメラ操作設定も細かくいじれるし、快適なプレイができる。
覚えることもできることも大量だけど、主人公が編入生という設定のおかげで少しずつ学んでいくようにゲームが進行するため、要素が多くても圧倒されずに慣れていける親切設計になっている。
その分、全ての要素にアクセスできるようになるまでには時間がかかる。
難易度バランス
上述の通り、メインクエストもサブクエストもガイドが優秀なので、攻略で詰まることはない。
難易度は4段階から選択できる。私はノーマル難易度でプレイ。
バトルは、ゆっくりとまではいかないけれど、剣など武器を直接振るアクションゲームほどハイペースではない。
魔法は自動で何かに向かって飛んでいくので、よほど変な方向を向いていなければ必ず敵に当たる(もちろん任意の敵にロックオンも可能)。
アクションの速さではなく、適切な呪文をタイミングよく発動する見極めが求められるバトルだ。これが武器で戦うことが多い他のゲームとは少し違った感覚になっていて、新鮮で楽しい。
特に敵の防御を崩したり弱点を突くのが攻略の鍵だ。
ぬるいわけではないけれど、テンポよく攻略出来るバトル難易度で、万一ゲームオーバーになってもチェックポイントは小刻みに設定されているのでリトライもしやすい。
ゲームシステムの面白さ
大まかには、オープンワールドアクションアドベンチャーとしてよくあるシステムだ。
しかし、魔法や魔法世界や学生生活といったハリポタ要素が、本当に上手くゲームに落とし込まれていて、純粋に「すごいなあ」と感心してしまう。
原作の人気と切り離して考えてもゲームとしてクオリティが高く、とんでもなく丁寧にプレイヤーを楽しませるよう作り込まれている。
初めてホウキで飛んだ時の高揚感や、魔法世界のファンタジックだけど不気味さもある雰囲気など演出も上手い。夢中にする仕掛けや工夫が満載だ。
また、ゲームの魔法というと炎や雷のイメージがあるけれど、本作ではひっくり返すとか地面に落とすといった魔法がバトルでも効果的など、本作ならではの魔法の使い方が面白い。
映画も原作も全く知らないという人にも「とりあえずプレイしてみて」とおすすめしたいほど、ゲームとして面白い。
そして、原作ファンの人なら本作を始めた瞬間から鼻血が噴き出るはず。夢のような世界で夢の体験が出来る。
やりこみ要素の楽しさ
上述したチャレンジやサブクエストなど、かなり大量のやり込み要素が用意されている。
装備品も多く、ファッションにこだわるだけでも日が暮れる。
ちなみに装備によって見た目も変わるけれど、NPCである他の生徒は通常の制服を着ているので、ホグワーツ校内では1人だけ浮かれている生徒になってしまいがち。でも、見かけだけ変更することも出来るので、とんでもない組み合わせで装備をしたい場合でも安心だ。
また、必要の部屋と呼ばれる自分で好きにカスタマイズ出来る空間では、装飾にこだわったり、魔法生物のお世話などまでたっぷり楽しめる。
更にPS版では、ホグズミードに自分のお店を持つという追加コンテンツまである(今後他機種版へも移植される予定)。
グラフィックの芸術性
高精細のクオリティ高い3DCGグラフィックで描かれる。
そんな高クオリティで更に細部まで描き込まれており、圧巻の映像美。
特に建物の荘厳さと豪華さや装飾の細かさには、うっとり見惚れてしまう。
壁に掛けられている絵が動いていたり、ちょっとした装飾品が魔法で動いていたり、作り込みすぎなくらい細部まで凝られている。お店の商品一つ一つまでジーッと眺めてしまう。
本気で魔法の世界に来てしまった気分だ。
キャラの表情も活き活きしているし、魔法のエフェクトが気持ち良いし、360度全瞬間楽しませてくれる。
サウンドの魅力
ハリポタなBGMだ。映画の音楽と雰囲気が似ている。
曲が主張しすぎないので、環境音の良さが際立つ。人が喋っているザワザワ音や、水や炎の音、更には足音まで耳触りが良い。
ダンジョンに行けば、不気味でハラハラする雰囲気もしっかり味わえる。ちなみに、昆虫系の敵もたくさん出て来て、効果音もしっかり虫なので、苦手な方はご注意を(アプデで蜘蛛恐怖症向けの設定が登場した)。
サントラはこちら
本作と似ているゲームや関連作は更に下へ
ホグワーツレガシーレビューのまとめ
おすすめな人
- 超大作なオープンワールドゲームが好き
- ハリーポッターシリーズのファン
- 物語を楽しみたい
- 魔法使いになりたい
おすすめではない人
- バトルばかり楽しみたい
- 出来ることが多いとやる気がなくなる
- 近接攻撃で戦いたい
総合評価良いところ&残念なところ
- 尋常じゃないレベルの作り込み
- 映画や原作の雰囲気を壊さず、物語が面白い
- 高クオリティのグラフィックで描き込みも激しい
- 多種類の魔法を使い分けるバトルが楽しい
- 全要素に触れるまで時間がかかる
ホグワーツレガシーが好きならおすすめのゲーム
似ているゲーム
Marvel’s Spider-Man 2
こちらも原作と映画が大人気のオープンワールドゲーム。
スパイダーマンそのものの体験ができる極上のアクションが味わえる人気シリーズ。
オリジナルストーリーが描かれており、こちらも原作や映画を知らない人にもおすすめしたい高評価作。
Star Wars JEDI Survivor ジェダイ サバイバー
原作があり、ゲームとしても面白いタイトルならこちらもおすすめ。
人気映画シリーズのスターウォーズをベースにオリジナルストーリーで歯ごたえのあるバトルやアクションが楽しめる。
ライトセーバーやフォースを想像通りの高クオリティで体験できる。
ホグワーツレガシー Hogwarts Legacy
© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Avalanche. WIZARDING WORLD and HARRY POTTER Publishing Rights © J.K. Rowling. PORTKEY GAMES, HOGWARTS LEGACY, WIZARDING WORLD AND HARRY POTTER characters, names and related indicia © and ™ Warner Bros. Entertainment Inc.
https://www.hogwartslegacy.com/ja-jp
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