レビュー【Minos】入れないし出れもしない | 迷宮が武器となるローグライクストラテジーゲーム

ミノタウロスとなり、迷宮を作って自身を討伐しにやってくる冒険者たちを倒していくローグライクストラテジーゲーム『Minos』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
- ストーリー
- 討伐にやって来る敵を倒しつつも迷宮から脱出しようと奮闘するミノタウロスの物語
- 攻略
- 様々な罠と迷路を作り、自身も戦いながら迷宮を下っていくローグライトストラテジーゲーム
- 評価
- 縛りもありつつ自由度高く迷宮を作れる考える面白さもRTSの緊張感も味わえる良作
Minosの概要
| タイトル | Minos |
|---|---|
| 開発元 | Artificer |
| 販売元 | Devolver Digital |
| 発売日 | 2026年4月9日 |
| 対応機種 | PC |
| ジャンル | ローグライク, ストラテジー |
| シリーズ | 新規IP |
| プレイ機種 | PC (キーボード+マウス使用) |
Minosのストーリー
ダイダロスと純粋なアステリオン

ギリシャ神話に登場するミノタウロス。
迷宮の奥に棲み、毎年捧げられる生贄を食べるという恐ろしい怪物だ。
そんなミノタウロスの別名はアステリオン。彼が本作の主人公だ。
ゲームは、アステリオンがギリシャ神話の天才職人ダイダロスから迷宮の作り方の手解きを受けるというチュートリアルから始まる。
実はアステリオンの首には懸賞金がかかっており、彼を倒そうと次々にやってくる冒険者から身を守るためには迷宮に身を隠しながら冒険者を迎え撃つしかないのだ。
なぜ自分が狙われるのかも分からないまま、アステリオンはせっせと迷宮を作ってはダイダロスとともに身を潜めていた。
哀しい怪物ミノタウロス

しかし、アステリオンは迷宮内を調べているうちに実は自分が迷宮に幽閉されている身だと知り、ダイダロスも本当の父ではないことを知る。
ギリシャ神話ではアステリオンはその出自が故にミノス王に幽閉されたという哀しい運命を背負っている。
自身の理不尽な状況に怒りを覚えたアステリオンは、「迷宮に閉じ込められたままでたまるか!」と脱出の糸口を探り始めた。
この青年アステリオンは本当に神話通りの恐ろしいミノタウロスなのだろうか、そして、神話通りなら戦士テセウスに討たれてしまうのか。
プレイヤーは迷宮の奥へ進みながらアステリオンの運命を見届けることになる。
Minosの攻略情報
迷宮の深みを目指す

本作は1階層が1ステージとなっている迷宮を下へと進んでいくローグライクストラテジーゲーム。
ステージの合間には体力回復などができる休憩フロアがあり、ステージ攻略で獲得した経験値などを使って様々なアップグレードをアンロックすることができる。
ローグライクゲームなのでステージ構成はランダムであり、最深部を目指すまでいくつかの経路がある。分岐路となる休憩フロアでは先のステージ構成を確認することができる。
報酬やステージ構成が異なるステージが登場し、どう進んでいくのかはプレイヤー次第だ。
難易度は上がるものの階層をひとつ飛ばしにできたり、パズルを解くといった特殊ステージも登場する。
準備フェーズと行動フェーズで敵を倒しきる

各ステージでは敵が迷宮の外から一定回数のウェーブに分かれて主人公を倒そうと侵攻してくる。
敵はまず迷宮内のミノタウロスの陣域を目指して最短距離で進み、陣域に到達すると敵は主人公がいる場所が把握できるようになり倒そうと向かってくる。
ちなみに敵はミノタウロスの拠点に到達する前でも、主人公を視認すると襲ってくる。
プレイヤー側は迷宮に設置した罠や主人公自身の攻撃で敵を倒すことができ、全ウェーブの敵を倒し切るとステージクリアとなる。主人公の体力がゼロになるとゲームオーバーだ。
そして、各ウェーブは準備フェーズと行動フェーズに分かれているタワーディフェンスのように進行する。
- 準備フェーズ
- ダイダロスモードで迷宮建築
- ステージ上に壁を作ったり罠を配置して迷宮を作る
- 罠は罠設置タイル上にしか置けない
- 全敵がミノタウロス自身と陣域に到達できなければならない
- 次のウェーブで攻めて来る敵の進路と兵種が画面上に表示されている(迷宮を作り替えると進路も自動的に変わる)
- ステージ上に壁を作ったり罠を配置して迷宮を作る
- ミノタウロスモードで移動
- 気力を消費して迷宮上の障害物となる固い壁を破壊できる
- 行動フェーズ開始時の立ち位置へ移動しておく
- ダイダロスモードで迷宮建築
- 行動フェーズ
- 敵が一斉に侵攻を始める
- ミノタウロスを操作可能
- 近接した敵に自動攻撃したり、罠の再装填などができる
各ウェーブごとに上記の2つのフェーズを経て攻略することになるが、ステージ開始時には一定数の罠しか使用できない。
しかし、ウェーブが終わるごとに倒した敵から得られる血と金貨で罠を追加することができる。既に設置した罠についてはウェーブごとに再使用と再配置が可能になり、迷宮の作り直しもできる。
ミノタウロスの進化

本作は永続強化があるローグライトゲームだ。
主人公はステージをクリアするごとに経験値を獲得し、それを消費して体力や攻撃力を上げたり、壁を壊すといったアビリティもアンロックできる。
また、敵討伐やステージクリア時に手に入る貴石で新たな罠をアンロックすることができる。金貨はステージを超えて持ち越せず、ステージクリア時に所持金は貴石に交換される。
パッシブスキルとなる神の遺物や、報酬付きのチャレンジ要素もあり、プレイすればするほど強くなると同時に戦術も増やしていくことができる。
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Minosのレビュー
物語: 怪物側の事情を味わえる

ミノタウロスはゲームでもよく見かけるキャラだ。
キャラというか、いつも筋肉モリモリのいかつい見た目で強敵モンスターとして現れることが多い。
他のゲームなら、プレイヤーが操作するのは本作の敵として現れる冒険者たちの方だ。「迷宮なんぞ攻略してやる!怪物を討て、討ち取れー!」ということが多い。
それならばミノタウロス側の物語というなら「グハハハ、全員薙ぎ倒してやるわ」という調子になるかと思いきや、本作の物語は実は切ない。
迷宮の外を夢見るけれど狙われ続け、怪物になってしまう。
とはいっても、物語要素は重たくはない。
一定の階層に到達するとスクロールと呼ばれるテキスト情報を手に入れることができ、それによって徐々に物語が明らかになるという軽めな描き方になっている。
そのため切ない物語とはいっても鬱々とするわけではなく、「頑張れミノタウロス、兵士たちなんかに負けるな」と応援する心持ちでプレイすることになる。
操作性: サクサク迷宮を作れる

本作のメインは迷宮作りだ。操作もそこに集中する。
迷宮作りの操作は分かりやすく、壁を作っては壊したり、罠の位置を入れ替えたり、考えながらサクサクと操作できる。
一方で、ミノタウロス自身の操作は移動くらいで複雑な操作はない。
迷宮に手を加えるごとに画面上に表示される敵の侵攻予想ルートも逐一変わるので目で見ながら考えやすく、UIも分かりやすい。
誤操作を誘うような仕様はなく、カメラは回転もズームもできるのでじっくり考えることに集中できる。
特に攻略に困るようなバグにも遭遇していない。
ただ、直線方向に作動する罠や壁は一マスでもズレると大惨事になる。
攻略上困るほどではないけれど、迷宮を建築する際には地面にマス目を表示できるなど位置関係を把握しやすい機能があるとより快適にプレイできそうだ。
難易度: 賢さが最強武器だが、最終手段のゴリ押しも効く

罠を設置できる場所も数も上限があるので、「とりあえず罠だらけにしちゃえ」といった単純無計画迷宮では攻略できない。
限られた空間と手段で何通りも考えられる迷宮から最適解を導く、考える面白さを存分に味わえるゲームだ。
ステージ中に追加できる罠はアンロック済みの罠から抽選された候補の中からしか選べないので、ランダム要素はもちろんある。
しかし、必ず活路が見出せるステージ設定や罠が提示される。運任せなローグライクではなく、あくまでもプレイヤーの作戦で勝つゲームだ。
毎回異なるステージ設定で違う攻略法を考える楽しみを味わうためのランダム要素だ。
複数の敵に効くよう罠を使うことが攻略の鍵で、設計ミスがないか見直しすることも大事だ。
しかし、難しいゲームではない。攻めてくる敵の数や種類は妥当で、強力な罠も多い。
そして、経験値が溜まりやすく、ミノタウロス自身を強化しやすい。
ミノタウロス自身が戦えるというのがかなり強く、これによって攻略しやすい難易度となっている。
そのため、すぐにゲームオーバーになるようなことはなく一回のランで長生きしやすく、ゲームを進行しやすいローグライトとなっている。
逆に、ウェーブごとに設計を考え、さらに1ステージのウェーブ数も多めなので、一回のランはかなり長くなりやすい。
中段セーブはできるけれど、時間に余裕がある時にプレイするのがおすすめ。
システム: 罠が面白く、完全リノベーションできる自由さもある

パズルの迷宮ステージ
各ステージにはあらかじめ壁などが設置されており(壊せないものもある)、それをヒントにして迷宮を作るのもいいし、外せるものを全て外して一から自分で迷宮を作ることもできる。
ステージごとだけでなく、フェーズごとに全て変えることもできる。
罠や広さの縛りがあることで工夫する面白さを味わいつつも、自分なりの迷宮を作りたくなる希望も叶えてくれる。
さらに迷宮を作っておしまいではなく、行動フェーズではミノタウロスとなって逃げ回ったり罠を再装填して回る。ミノタウロスの動きも計画に組み込むというわけだ。
そして、隠れつつもタイミングを見計らってミスなくミノタウロスを動かす、ステルスとリアルタイムストラテジーのスリルも味わえる。
ゲームプレイに緩急があるので飽きずにくく、どんどんと次のステージをプレイしたくなる。
また、トゲやバリスタといった単純なものだけでなく、自動で閉まるドアや隊列を崩したり1人だけ誘き寄せる罠や、感圧スイッチで部屋を回転させるなど面白い罠が登場する。
さらに罠には配置や組み合わせによって挙動が変わる隠しコンボもあり、同じステージと罠でも何通りもの迷宮を作ることができる。
もはやステージクリアよりも、より巧みな迷宮を作る方に集中し始める。それくらい迷宮作りにこだわることができて楽しい。
芸術性: 雰囲気抜群、キルカメラも搭載

本作は迷宮そのもの。
地獄のような雰囲気さえ漂っており、敵が死ぬとその血が迷宮の床に溜まり、その血を捧げて罠と交換する際には血が噴水のように噴き出す。
この演出が敵を倒した祝砲のようで、達成感を感じやすい仕掛けになっている。
そして、「仕留めたぞ!」と爽快感を感じるほど敵はリアクションたっぷりに罠でやられてくれ、最後の敵を倒した際にはキルカメラ演出まである。恐ろしい迷宮という雰囲気が抜群だ。
一方で、個人的にアステリオンの表情がツボに入った。純粋でありつつ不服そうな膨れっ面ををしており、ゲーム冒頭から彼を応援したくなるのはこの表情のおかげかもしれない。
ネタバレになるので伏せるけれど、ゲームが進行するとこの顔を見たくて仕方なくなる。
BGMももちろん不気味だ。うるさくはなく、設計を考える際に邪魔になるようなことはない。
かと思いきや、主人公をしばらく操作していないと、彼はなんと居眠りを始める。BGMも子守唄のような優しいメロディに変わり、「ぐうぐう」というイビキまで聞こえてくる。
迷宮を作る準備フェーズには時間制限などはないけれど、彼のイビキが聞こえてくると「うわ、待ちくたびれてる!?」と妙に焦ってしまうが、慣れてくるとクスッと笑いつつ「はいはい、キミはお昼寝しておきな」とその寝顔を守るために迷宮作りにもより気合が入る。
深刻で切ない雰囲気を漂わせつつ、笑いも忘れていないゲームだ。
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Minosの総合評価
Minos

総合評価
面白い罠と自由高く迷路を作れることでじっくり考える迷宮作りが楽しく、かつRTSの緊張感も味わえる良作ローグライトストラテジーゲーム。運任せではなくしっかり作戦が効き、攻略しがいのあるステージが続く。
長所と短所
良いところ
- 何通りもの迷宮を自由度高く作ることができる
- 面白い仕組みの罠が多数登場する
- 考える面白さもRTSの緊張感も味わえる
残念なところ
- 1ステージや1回のランが長くなりがち
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- ギミックやダンジョンの構造を考えるのが好き
- 頭を使うゲームが好き
- 試行錯誤が好き
おすすめではない人
- 展開が早いゲームを探している
- ランダム要素が強いローグライクゲームを期待している
- 主人公のアクションも直接操作したい
Minosに似ているおすすめゲーム
Cataclismo
建築も防衛も楽しめるストラテジーゲームなら、こちらもおすすめ。ブロックを積み上げて拠点を守る要塞を作り、大量の敵の襲撃を耐え忍ぶ。物理演算に従って要塞が崩れる要素があり、拠点内の資源管理や人類を絶滅に追い込む霧に立ち向かう物語も楽しめる。
Sons of Valhalla
主人公自身も戦えるタワーディフェンスゲームなら、こちらもおすすめ。横スクロールでプレイし、ヴァイキングのリーダーとなって宿敵が待つ王国に攻め入っていく。防衛設備や部隊を配置しつつ、敵が襲ってきたら主人公も前線に立って剣を振るう。















