レビュー【Dispatch】中間管理職ヒーロー | 物語が分岐するストラテジーゲーム

選択によって分岐していく物語を楽しみつつ、ヒーローを的確に派遣するアメコミのようなストラテジーゲーム『Dispatch』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
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- ストーリー
- 元ヒーローのロバートが元ヴィラン達のチームのまとめ役となっていく物語
- 攻略
- 適材適所でチームメンバーを事件へ派遣しつつ、選択によって物語が分岐していく物語主導型ストラテジーゲーム
- 評価
- アニメ作品の中に入ったかのように没入度高く物語を楽しめて、ゲームプレイ部分含めて非常に上手くまとまっているゲーム
Dispatchの概要
| タイトル | Dispatch |
|---|---|
| 開発元 | AdHoc Studio |
| 販売元 | AdHoc Studio |
| 発売日 | 2025年10月22日 |
| 対応機種 | PS5, Switch2/1, PC 2026年夏: Xbox |
| ジャンル | アドベンチャー, ストラテジー |
| シリーズ | 新規IP |
| プレイ機種 | PC(キーボード+マウス) |
本作には、Fワードなどのスラングや際どいジョークがセリフ中に登場する。苦手な人はそうした表現を伏せた状態でプレイできる(設定から選択可能)ので、あらかじめ設定変更してからプレイするのがおすすめ。
なお、Switch版はあらかじめ過激な表現は伏せる設定になっており、解除することもできない仕様になっている。また、国内版PS5は視覚的な過激表現には解除不可の規制がかかっている(Xbox版もPS5版と同じ仕様になる模様)。
Dispatchのストーリー
戦えなくなったメカマン

本作の主人公はロバート。
彼は街で起こる悪事に立ち向かうメカマンというヒーローとして活躍していた。その名の通り、頑丈なメカに乗って戦うヒーローだ。
実は、メカマンは親子三代にわたって引き継がれている。家業だ。
先代メカマンであるロバートの父はシュラウドという悪党のせいで亡くなってしまい、ロバートが市民に愛される3代目メカマンとして日々戦ってきた。
ゲームは、父の仇であるシュラウドのアジトに突入する「もはやクライマックス」な状況から始まるけれど、残念ながらロバートは早々に負けてしまう。
メカマンのメカも大破してしまった。
ヒーロー業というのは儲かるわけではなく、心身ともにボロボロどころか金欠のロバートはメカの修理もできなくなり、メカマン引退を決めた。
そんなロバートの物語はここから始まる。
ならず者チーム

元ヒーローとなったロバートは、SDNという会社にスカウトされて働くことになる。
SDNとは加入者の困りごとにヒーローを派遣する会社だ。
実はこの街には人間離れした能力を持つ者たちがゴロゴロおり、能力を悪用するヴィラン(悪党)をヒーローがとっちめるビジネスが成り立っている。
ちなみにロバートはメカマンというヒーローっぽい名前で活動していたけれど、本人自身は特別な能力を持っているわけでない。
メカのパワーを使って根性と信念で頑張ってきた凡人だ。
しかし、ロバートの正義感や培ってきた経験は彼にしかない才能だ。
というわけで、彼は元々はヴィランとして暴れていたものの捕まったならず者たちチームを立派なSDN社員へ育て上げる役目に抜擢されたのだ。
こうして社会からはみ出た元ヴィランたちと失意の元ヒーローの司令塔からなるチーム「フェニックス」が始動する。
Dispatchの攻略情報
選択しながらエピソードごとに進む

本作はいくつかのエピソードに分かれており、クリア済みのエピソードは再プレイもできる。
ただし、本作では選択肢やプレイ内容によって物語が分岐し、この分岐はエピソードを超えて引き継がれる。
そのため、クリア済みのエピソードを再プレイすると分岐が上書きされてしまうので注意。
各エピソード内には、大きく分けて二つのパートがある。
- 物語パート
- 物語を見つつ、QTEや会話の受け答えを選択する
- 選択時には時間制限あり
- 選んだ内容によって物語が分岐する
- 物語を見つつ、QTEや会話の受け答えを選択する
- 業務パート
- 街で起こる事件にチームメンバーを派遣するリアルタイムストラテジー(詳細は後述)
- どれだけの通報に対応できたかによってロバート自身の社員としてのランクが上がる
ディスパッチャー(派遣業務)の仕事内容

シフト(業務時間)が始まると、画面はロバートが使うPC画面のみ映される。
画面上部には街の地図が表示されており各地からどんどん通報が舞い込んでくる。
画面下部にはチームメンバーが表示されており、各事件へ適切なメンバー選んで派遣するのがロバートのお仕事だ。
基本的な業務の流れは以下の通り。
- 通報が入る
- 通報後一定時間内に誰かを派遣しないと未対応として「失敗」となる
- 通報内容に適したメンバーを選択する
- 事件ごとに派遣できる人数に上限がある
- 各メンバーには知性や機動力など5種のステータスがあり、通報内容から求められるステータスを推測し、事件解決できそうなメンバーを選択する
- もし二人派遣すれば各ステータスは二人の合計値となる
- 事件対応
- 現場までの道のり、事件対応完了までには一定時間かかる
- 結果報告
- 事件対応が終わるとメンバーは帰還を始め、事件報告を確認できる
- この時点ではじめて、その事件解決に求められる5種のステータス値が開示される
- 事件解決に要するステータスと派遣されたメンバーのステータスのグラフ(五角形)が重なっている面積が広いほど成功率が上がる
- 休息
- 帰還後のメンバーは一定時間の休息を経なければ再出動できない
メンバーのランクアップ

事件を解決できると、派遣されたメンバーは経験値を得る。
一定量溜まればランクアップしてスキルポイントを獲得し、5種のステータスのいずれかに割り振ることができる。
また、メンバーごとに特定の条件が揃うとステータスが上がったり移動時間が短縮するといった能力があったり、相性の良いチームメンバーと一緒に派遣すると相乗効果によってバフが発生する。
一方で、事件によっては失敗すると怪我をすることがあり、怪我が重なるとダウン状態となりそのシフト中は働けなくなってしまう。
しかし、ロバート自身の社員レベルが上がると、怪我を回復するなどサポートするアイテムを使用できるようになる。
ステータスや怪我の状況は引き継がれるので、次のシフトにダメージを残さないようにしておくことも大事だ。
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Dispatchのレビュー
物語: 選択によって展開が激変し、目が離せない

本作は発売時にエピソードが2話ずつ配信されたり、エピソードごとに起承転結とクレジット画面があったり、1話ずつアニメ番組をプレイしている気分になるゲームだ。
各エピソードに展開がむぎゅっと詰まっており、分岐は豊富に用意されているけれどエピソードを超えて自然に繋がっていきゲーム全体通してアニメ作品1シーズンのようにまとまっている。
業務パートでは自分のペースでプレイできるけれど、どこで選択を迫られるか予想もつかないまま切れ目なく映像が流れ続けるため、普通に映画や動画を見ている時よりも画面に釘付けになる。
主軸はヒーロー物語ではあるけれど、落ちこぼれやはみ出し者の皮肉たっぷりジョークが満載な物語で終始笑える。
チームメンバーは口が悪い良いキャラ揃いで、ロバートは静かに熱いヒーローで感情移入しやすい。
「白い歯と分厚い胸板が眩しすぎる」というヒーローものではなく(逆にそういったヒーローへの皮肉も描かれている)、「悪役同士が共闘する展開ってなぜか熱いよな」とか「ダメダメな奴が頑張る姿に共感できる」という人に特におすすめだ。
セリフを追わなければならないゲームなので適度な長さの字幕になるよう翻訳されているけれど、訳されていない部分のジョークや言葉選びも面白い。
英語がある程度聞き取れる人は耳を澄ませてプレイするとより一層楽しめると思う。
ただ、下品なジョークありきの物語なので、苦手な人にとっては少々ウンザリしてくるかもしれない。
操作性: ロバートになりきって操作できる

本作はキーボード+マウスでもゲームパッドでもプレイでき、どらちでも支障なく攻略できる。
しかし、業務パートではゲーム画面もロバートのPCモニターが映し出されるので、キーボード+マウスで操作するとロバートになりきることができ没入度が高くなるのでおすすめ。
操作性は全く問題なく、攻略に困るようなバグに遭遇することもなくプレイできた。
チュートリアルも分かりやすく、新要素が登場してくるペースもゆっくりめなので確実に理解しながら攻略できる。
また、業務中は刻々と時間が過ぎていくけれど、通報内容を確認したり派遣するメンバーを選んでいる際などは時間が止まる。
本気のリアルタイムストラテジーほど忙しないゲームプレイではなく、悩みたい時はじっくり考えることができる。
分岐要素のあるゲームなので当たり前ではあるけれど、会話中の選択肢もスキルポイントの割り振りなどもやり直しはできないので誤操作にはご注意を。
難易度: まずは突き進むべし

オレンジ色(派遣した者のステータス)内に止まれば「成功」
本作には難易度選択の項目はない。
QTEをオフにすることはできるので、選択する場面以外はアニメを鑑賞したいという人はオフ設定でプレイするのもおすすめだ。
そして、どんな選択を選んでも事件解決に失敗しようとも物語は進むのでゲームクリアは必ずできる。
一方で、最初から全ての事件を成功に導くのはなかなか大変だ。
突発的に業務に支障が及ぶ事件が起こったりもするし、エピソードが進むほど難易度は徐々に上がってくる。
各メンバーの能力を上手く利用することが大事で、その発動条件を把握しておく必要がある。
また成功率はステータスの5角形のグラフ(レーダーチャート)が広いほど上がるので、尖った成長をさせるより満遍なくステータスを上げる方が意外と成功率アップに繋がる。
またロバート自身がハッキングを行う場面もあり、ちょっとしたパズルを解かなければならない。
時間制限や失敗できる回数に上限もあり、失敗すると事件解決自体が失敗となるので集中して挑まなければならない。
とはいっても、本作は様々な選択肢を試す周回プレイを楽しむゲームなので、もし失敗したり思ったような結果にならなくても、最初はそのまま通してプレイするのがおすすめ。
何が起こるか分かった上で2週目以降プレイすると好成績を狙えるはずだ。
システム: アニメにゲームをブレンド

本作は物語主導型ゲームだ。ただアニメ作品を「見ている」ではなく「中に入ってしまった」ゲームプレイを体験できるのが本作の魅力だ。
選択するのは自分自身であり、それによって展開もNPCの反応もがっつり変わる。物語の展開が業務に影響してくることさえある。
そのため周回プレイしたくなる気持ちも高まる。
一方で、メンバーをやりくりしつつ先を見越して成長させるなどストラテジーの面白さもちゃんと味わえる。
エピソードによって業務中に新たなギミックが登場したり攻略にも支障が及ぶような事件が起こるので、ゲームプレイ部分も飽きずに楽しめる。
物語の先は気になるし、次の業務も早くプレイしたくなる。
それでいてエピソードに分かれているので冗長的にならず、テンポ良く攻略できるのも良い。
全体通して上手くスッキリとまとまっているゲームだ。
芸術性: カットシーンだけでも見応えあり

ロバート自身の物語も展開する
何回か映像に目を奪われてしまいQTEの入力に失敗したことがあった。
それくらいアニメーションのクオリティが高い。そのまま作品として配信されていてもおかしくないレベルだ。
アニメ作品にあまり詳しくない筆者からすると、本作のカットシーンを目にしたら「何か新しいアニメシリーズが始まったのかな」と勘違いしてしまうほど。
業務パート含めフルボイスであり、常にメンバー同士が軽口を叩き合っていてにぎやかだ。
ゲームプレイ部分でのBGMはあまり主張しすぎず、一方でクレジット画面で流れる曲は物語や展開にぴったりで「次回をお楽しみに!」感があり、次のエピソードもすぐにプレイしたくなる。
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Dispatchの総合評価
Dispatch

総合評価
アニメ作品の中に入ったようなゲーム体験ができる分岐要素に夢中になる物語主導型ストラテジーゲーム。個性豊かなメンバーの特性から適材適所で事件に派遣するストラテジー要素もちゃんと面白く、物語もゲームプレイも綺麗に上手くまとまっている高評価作。
長所と短所
良いところ
- 物語もゲームプレイも面白い
- 分岐要素が豊富で、かなりの変化が起こることもある
- アニメの中に入ったかのような体験ができる
残念なところ
- 翻訳によって皮肉やジョークの面白さが薄まっているところあり
(字幕の長さ的に仕方ないところではある)
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- アメコミヒーロー系の物語やアニメが好き
- いろんな分岐を選択して周回プレイを楽しみたい
- 比較的短時間でクリアできるゲームを探している
おすすめではない人
- アメコミなノリや下品なジョークが苦手
- 後戻りできないゲームが好きではない
- 周回プレイせずに物語を全て見たい
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