【Mudborne】卵にキノコを混ぜるマッドサイエンティストカエル I 攻略とレビュー マッドボーン カエル管理シミュレーター
遺伝子操作で多彩なカエルを生み出し、豊かな池を取り戻すカエルシミュレーション『Mudborne マッドボーン: カエル管理シミュレーター』。
Mudborneの特徴
- ストーリー: 廃れた池を在りし日の姿に戻すため、お告げを受けたカエルが奮闘する物語
- 攻略: キノコを組み合わせて多様なカエルを生み出しつつ池を探索していくシミュレーションゲーム
- 評価: 遺伝子操作計画を考えながら作業する楽しさが、探索や物語によってより増している

- 計画を考えるのも作業工程も楽しい
- カエルを使った謎解きや物語もしっかり楽しい
- カエルの種類が多く、その性格や名前が笑える
- 各アイテムのサイズが小さく、視認や狙って掴むのが難しい
『Mudborne マッドボーン』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Mudborne マッドボーンの攻略情報
Mudborneの概要
タイトル | Mudborne: Frog Management Sim マッドボーン カエル管理シミュレーター |
---|---|
開発元 | ellraiser, TNgineers |
販売元 | Future Friends Games |
発売日 | 2025年3月21日 |
対応機種 | PC |
ジャンル | シミュレーション |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(キーボード+マウス, ゲームパッドでもプレイ可) |
本作開発元は、これまでに養蜂をテーマにした高評価作『APICO』を手掛けている。
ストーリー
寝坊した1匹のカエル

カエルは眠っていた。冬眠だ。そして、夢を見ていた。
夢の中に現れたのは、もはやラスボスと見紛うほど巨大なカエル。
しかし、悪の親分ではなく、池の母と呼ばれる神聖なカエルだ。
池の母は、冬眠カエルに告げた。
「池の母もその他のカエルも捕らわれてしまった。豊かだった池の姿を取り戻せるのは、あなたしかない。」
そして、カエルは目覚めた。池の救世主となるカエルだ(名前はプレイヤーがつける)。
目覚めたカエルの目の前にいたのは、ピョンタ。大工だという。
ピョンタ含め、主人公と同じように池の母に呼びかけられた少数精鋭カエル達はもう仕事にとりかかっているらしい。
そう、主人公は寝坊したのだ。
遺伝学者のカエル

さて、主人公は選ばれし唯一の勇者カエルというわけではない。少数精鋭カエルたちには、それぞれに仕事が割り当てられている。
主人公カエルが担当するのは、遺伝子操作部門だ。
ピョンタが大工というから、主人公はお料理係とかかと思いきや、突然に高度テクノロジーが登場した。
豊かな自然とは、多種多様な生物が生きる環境のことだ。カエルのための豊かな池を取り戻せというなら、バラエティ豊かなカエルが必要だ。
主人公カエルはキノコやら泥やらをかき集め、寝坊した遅れを巻き返そうとマニュアルを読みながらカエル超テクノロジー遺伝子操作を始めた。
夢の中に入っていくカエル

多種類のカエルを生み出すのなら、多種多様な材料が必要だ。
しかし、池はあちこち壊れていて進めない。しかも、本作はダブルジャンプとか高速スイミングを習得する肉体派カエルゲームでもない。
ところが、主人公カエルは寝坊しただけのことはあり、夢と相性が良い。相性が良すぎるあまり、夢の中の池を進むことまでできる。カエルの能力というのは底知れない。
しかも、夢の中は現実の池と同じに見えて違う。現実にはないキノコも生えている。これは、新種開発が捗るぞ。
もはや自身の知的好奇心を満たすためかのように、カエルはキノコと泥を黙々とかき混ぜる。
攻略のポイント
変種カエルと共に池を進む

ギミックが作動する
本作の舞台となる池はいくつかのエリアに分かれており、各エリアにはそれぞれ夢の世界版マップもある。
各地にある鏡池に入ると、夢の世界と現実の池を行き来することができる。夢と現実のマップ構造は基本的に同じではあるものの、開いているドアや通れる道などが異なる。
動かしたギミックは現実でも夢でも効果が有効となるので、これを利用して進めない場所があれば別の世界から回り込んでいく。
では、なぜ新種のカエルを生み出すのかというと、各地の鏡池やギミックは特定の遺伝子配列を持つカエルがいないとアンロックできないからだ。
各所で必要とされる特性を持ったカエルを生み出し、新たな場所を探索していく。こうしてゲームを進行していく。
カエルの作り方

変種カエルを作るには、いくつかの工程を経る必要がある。
- 魔法の泥を作る
- 採集や培養器で育てたキノコを粉末にする
- 複数のキノコ粉末と泥を混ぜ合わせて魔法の泥を作る
- 混ぜたキノコによって、生まれるカエルの遺伝子配列が変わる
- 作った魔法の泥は何度でも使用可能
- カエルの卵を準備する
- 捕まえたカエルを交配させて卵を手に入れる
- 卵はもちろん親の遺伝子配列を引き継いでいる
- 新種のカエルを生み出す
- カエルの卵と魔法の泥を混ぜるとオタマジャクシが誕生
- 混ぜた泥によって新世代の遺伝子配列が変わる
- 生まれたオタマジャクシが好む味の虫を与えるとカエルへ成長する
- 特定の遺伝子配列を持つカエルは見た目も特性も変わる
カエルには、匂いや大きさなど7種のステータスがあり、各ステータス数値7ケタが本作での遺伝子配列と呼ばれる。
キノコは種類によって「匂い+1」「大きさ-1」といった効果が決まっており、これらを組み合わせることで遺伝子配列の数字を調整できる。
この遺伝子操作を繰り返して、ゲーム進行に必要となるお目当ての遺伝子配列を持つカエルを生み出す。
建築とカエル時間

本作には家具も登場する。生み出したカエル用の家具もあれば、主人公カエルが利用できる家具もある。
遺伝子操作のためのクラフト設備はもちろんのこと、家具を使って自由に建築や装飾を楽しむこともできる。
他の少数精鋭カエルメンバー含めNPCも登場し、彼らに特定のアイテムを渡すとクラフト設備や家具を売ってくれる。
ちなみに、本作ではゲーム内時間が流れており、朝から夜まで時間帯が変わる。ただし、主人公に空腹やスタミナの概念はなく、ぶっ通しで働くことができる。
しかし、特定の時間帯や気候でしか現れないキノコなどがあるため、ベッドやソファはそこで休むことで時間を早送りするために使用する。
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Mudborne マッドボーンのレビュー
物語: カエル物語がちゃんと描かれる

本作ではカエルの遺伝子配列の足し算引き算に夢中になる。それがメインだ。
しかし、実は物語がちゃんとある。あちこちに日記やメモ書きが落ちており、読み進めると池で何が起こったのか明らかになってくるミステリー仕立てな物語を楽しめる。
池にはハイテクな研究棟やカエル文明社会の痕跡が残っており、見た目から想像できないほど(カエルに失礼)の複雑なカエル事情や世界設定が描かれている。
真相が明らかになってくるので先に進んでいる感覚を味わいやすく、先に進みたい欲も湧いてくる。作業が多いゲームではあるけれど、物語が良い刺激になっている。
操作性: 快適で不便で、たまに無反応カエル

どんどん明かされていくガイドブック
本作はゲームパッドでもキーボード+マウスでもプレイできる。どちらでもプレイしてみたけれど、キーボード+マウスの方が圧倒的に快適だ。
本作ではクラフト設備や収納箱などのインベントリウィンドウを開いたままにでき、その間でアイテムの移動ができる。収納箱からアイテムを主人公の持ち物に入れて、そこからクラフト設備に投入するという二度手間は必要ない。
一定の距離までなら主人公が接近していなくてもウィンドウ開きっぱなしでアイテム移動ができるので、複数のクラフト設備で同時操作できるのがかなり便利だ。
ゲームパッドではこの便利機能を活かせないので、キーボード+マウスでのプレイがおすすめとなる。
しかし、不便なところもある。本作では各アイテムの画面上サイズが小さく、密集していることが多い。
例えばカエル近くにいるトンボを虫取り網で捕まえたい時、ブンッと網を振るとトンボ数匹と一緒に近くのカエルも、それどころか近くの蓮や花までもガサァッと取ってしまう。虫取り網一振りでこれだけ一気に網に収めるとは、カエルとは思えぬ腕力。
素材は余分に採取して困るわけではないけれど、カエルは1匹でインベントリ1マス使ってしまうので、意図せず捕まえていると荷物がパンパンになるのでなかなか厄介だ。狙ったアイテムを一つだけ取りたいというプレイには不向きな操作性となっている。
また、アイテムを選択したり置きたい時に、たまに反応してくれないことがある。攻略に支障が出るほど高頻度ではないけれど、今後のアプデに期待したいところ。
難易度: 計画も計算も作業も必要

本作では、段取りをちゃんと考えてプレイしなければならない。
序盤ではキノコ1種類で「はい、新種の出来上がり!」とすんなりお目当てのカエルを生み出すことができる。
しかし、徐々に遺伝子配列を計算しながら複数のキノコを混ぜ合わせなければならなくなり、打ち消し効果やマイナス効果を引き起こすキノコも登場し、複数の世代を経てやっとお目当てのカエルを生み出せるようになる。
更に「系統」という概念もあり、鏡池にお供えするカエルは指定された遺伝子配列を持つ先祖を経ていなければならない。
またキノコも環境を整えないと生えない新種キノコが必要になってくる。
こうした縛りはどんどん増えていく。
そのため、準備のための準備のために更に準備が必要な準備をするといった何段階もの作業が必要となり計画性が求められる。
「これをこうして、このキノコで、あれで、それで、このカエルで」と、計画を考えるのが本作最大の面白さだ。その末にカエルが誕生した時の達成感によってさらに楽しさが増していく。
逆に言えば、作業工程も遺伝子配列パターンも多いため、今自分が何のために何をやっているか頭の中で整理しながらプレイしていないと右往左往してしまう。
とはいっても、常にゲーム内ガイドブックがサポートしてくれるし、あちこちに新種カエルの遺伝子配列が書かれた石碑もあり、ヒントはちゃんと用意されているので「一体何をどうすれば…」と思考停止してしまうことにはならない。
システム: 物語と探索で惹きつけ、しっかり頭も使う

本作の面白さは、やはり遺伝子操作の面白さ。
特定の配列にどうすれば辿り着けるか、ざっくり言えば計算ゲームといえる。
しかし、そこに素材採取と物語が過不足なく盛り込まれていることで、単調だったり小難しい印象にならず、サバイバルクラフトゲームの面白さも味わうことができる。
夢の世界を利用するという一捻りも加わっていることで、謎解きの楽しさも味わえる。作業一辺倒になっていないのが良いところ。
そして、本作の魅力である遺伝子操作に関しては、たくさんのパターンが用意されているのが更に本作を面白くしているポイント。
遺伝子配列が少しずれると変異種(色違いや外見が変わる)が生まれる。
もし遺伝子配列パターンに対してカエルの種類が少なかったり、鏡池にカエルを捧げるだけなら、単に計算式の答えを求めるだけの作業感の強いゲームになっていたと思う。
しかも、生み出されるカエルたちが面白い。アマガエルなど現実にいるカエルは1匹たりとも登場せず(主人公が二足歩行という時点で現実を超えているけれど)、足が臭い紳士気質のカエルやカラオケ好きなカエルなどが登場し、笑える。
日本語翻訳のクオリティが高いどころか、日本語でのネーミングセンスが抜群で、図鑑の内容まで面白い。
芸術性: ゆるく可愛いカエルの世界

各門のアンロックにも新種カエルが必要
ホッとするような素朴なピクセルアートで描かれる。全て可愛い。
登場するのはカエルであり、その餌は昆虫だ。現実なら苦手な人もいるだろうけれど、本作は全てデフォルメされていて可愛い。
どんなに可愛かろうが「蝿を捕る」「アメンボを食べる」主人公の姿に鳥肌が立つほどの昆虫嫌いでなければ、ほのぼの楽しめる。
現実の池は緑色系、夢の世界は紫色系の配色になっており、同じ風景でも違った雰囲気を味わえるのも視覚的に楽しいところ。
また、ほんのり建築も楽しめるけれど、上述もした通りアイテム一つずつが小さかったり、家具の種類はあまり多くなく、凝った装飾まではできない。
欲を言えば、カメラの拡大縮小機能が欲しかった。
サウンドは、癒されるBGMが時折り流れる。穏やかな曲調が多いけれど、それよりも環境音の方が本作のサウンドの魅力だ。
夕方になると虫が鳴く声が聞こえ、サーッと雨が降る音もして雷が鳴ることもある。そして、当たり前だけど1日中あちこちからゲコゲコと聞こえてくる。
環境音はリアル路線なので、池のほとりASMRのように癒される。
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Mudborne マッドボーンの総合評価
Mudborne: Frog Management Sim

総合評価
作業や先の世代を考えて計画を立てて作業する面白さが味わえるシミュレーションゲーム。物語や探索要素、笑えるネタも上手く盛り込まれており、作業の面白さもとっつきやすさも両立している良質ゲーム。
おすすめな人 | 計画を立てるのが好き クラフトなど作業に癒される 様々なパターンを脳内シミュレーションするのが好き |
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おすすめではない人 | 段取りを考えて作業するのが苦手 頭を使いたい気分ではない 派手な演出や展開を求めている |
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