Tripwire Interactiveが開発したアクションアドベンチャーでありオープンワールドゲーム。
PS、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
あらすじSTORY
海にはサメがいる。明らかに危険生物なんだけど、なぜか人間はサメが好きだ。
そんなわけで、サメ特集のドキュメンタリー番組の撮影が始まる。

で、ご協力いただくのはスケイリーピートという豪快なサメハンター。
ピートは、今日もサメをとっ捕まえた。そして、派手にサメのお腹をかっ割いた。
しかし、そのサメは妊娠中だった。ピートは赤ちゃんサメをお腹から引っ張り出して吟味する。恐ろしい男だ。

ところが、次の瞬間!赤ちゃんサメは、泣く子も黙るスケイリーピートの右腕を噛みちぎってしまう。超ド級の放送事故が発生!
「腕がぁああー」なんて騒いでる人間を無視して、犯人のサメは海へと逃亡。

そして遂にゲームが始まる。片腕をちぎったサメを追うピート!ではなく、実は逃げた赤ちゃんサメが主人公だ。
人類はお母さんの仇。人間どもとピートへの復讐の炎を燃やしながら、無尽蔵の食欲で赤ちゃんサメは成長していく。
そして、B級パニック映画並みに訳の分からない進化を遂げて、人類に復讐だ!

ゲームの特徴Features

本作はオープンワールドゲーム。リゾート地や工場などがある沿岸地帯を泳ぎ回る。
とは言っても、エリア間には一定の年齢に達していないと噛み砕けない鉄格子や柵がある。なので、進んでいく順番はある程度決まっている。
「サメが主人公なら、オープンワールドって言っても海中だけじゃん」と言いたくなるけれど、大丈夫。このサメは地上にも果敢に攻めていくタイプだ。

食事がゲームのメイン。そこらへんを泳いでいる小魚やカメ。目に入ったものは何でも食べればいい。もちろん、人間だって。
食べるごとに経験値を得て、レベルアップしていく。
基本のアクションは、突進による加速、噛みつき、体全体を旋回して回避、尾ビレアタックだ。

海にいるのは、ただ大人しく食べられてくれるヤツらばかりではない。ワニや他のサメ、シャチもいるし、やたらと好戦的だ。
そんな奴らは噛みついたり、尾びれでパチーンと叩いてやればいい。相手の体力がなくなれば、食べ物に過ぎない。
相手ももちろん攻撃してくるけれど、サッと避けて、タイミング良く噛み付けば、ブンブン振り回して大ダメージを与えられる。

海沿いには、のほほんと遊んでいる人間たちがいる。サメ出没地域なのにノンキなもんだ。いただきます。パクパク。
しかし、あんまり人間を食べてると、サメハンターたちが集まってくる。
そうしたら、銃弾を避けながらハンターたちの船を破壊して、ハンターたちまで食べてしまう。
で、雑魚ハンターたちを食べたり船を沈没させていると、遂に著名なサメハンターが登場する。
でも、どんなに有名でもガブッと食べてしまえば勝利だ。
こうして悪名度を上げて、伝説のサメに成り上がる。震えろ、人類。

サメはレベルアップしたり、サイドクエストやサメハンターの討伐などの報酬で、普通じゃない進化を遂げることが出来る。
背ビレや尾ビレなどの部位ごとに追加効果が発生するパーツを付け替えることが出来る。食べたものなどから手に入る素材を使ってアップグレードも出来る。
サメ全体が稲妻になったり、背ビレから毒が出たり。どういう進化なのか、細かいことは気にしなくていい。サメってそんなもんだ。
各要素の評価と感想Ratings

物語の面白さ
本作は、サメが好きかどうかで大きく印象が分かれる。サメの生態特集とかパニック映画をついつい見てしまう人なら、どハマりだ。
母親の仇を討つために謎の進化を遂げて人間を喰らい尽くすサメという設定だけで心鷲掴み。
復讐の相手は、スケイリーピートという絵に描いたような荒くれ者。オープニングから「こいつ、いつか絶対食べてやる!」と心に誓うほど、最悪なヤツ。俄然、やる気が湧いてくる。
が、実はピートにはピートのドラマがある。
サメになって暴れ回るだけだと思った?私はそう思ってた。が、そんなことない。サメと、サメハントに命を賭ける漢の熱い物語が展開する。

キャラクターの魅力
サメなので、喋らない。愛想はないし、気のいい相棒なんてのも登場しない。ひたすら食べて食べて食べまくる。全員が食べ物に過ぎない。
それだけなのに、めちゃくちゃ愛情が湧いてくるのは何故なんだ。進化するほど見た目は恐ろしくなっていくんだけど。なんでだ。可愛く見えてくるのは何故なんだ。
悪名度が上がると狩りに来るハンターたちは、B級映画で絶対最初に殺される調子にノッてる奴ばかり。邪魔してくるから食べてしまう。特にドラマはない。
とにかくサメ。そこだけに魅力が凝縮されている。海中洞窟で佇み、何故か必死にナンバープレートを集める(収集要素)姿に心奪われる。

操作性
常に泳いでいるし、成長してくると巨体だし、そんなに細かな動きは出来ない。大味な挙動。水面から大ジャンプしたり、加速すると、勢いつきすぎて狙ったものを通り過ぎてしまうことも。
でも、キビキビ動いてくれるし、特にハンター達との戦いはハイペースでも無尽蔵のスタミナで暴れ回れるので爽快。
ターゲットはオートエイムなので、大体の方向を向いてれば噛み付いてくれる。逆に戦っている相手を無視して、全然別の小魚に噛み付いてしまうこともある。
といった感じで、精度が高いわけではないけれど、概ね良好な操作感。水中なので操作はやや独特だけど、慣れてしまえば傍若無人に暴れ回ることができる。
しかし、プレイに支障の出るバグが発生するのは良くない。「ハンターが現れた!」いうカットシーンの直後に、視点がサメの体内に潜り込んでしまうバグが発生する。視界がグチャグチャ。一旦死ぬしかない。

難易度バランス
赤ちゃん時代と子供時代は、なかなか辛い。凶暴な小魚とかワニに噛みつかれて死にやすい。「このゲーム難しいかも」と思う苦しい下積み時代。でも、それを乗り越えると、もはや怖いもの無しに。
とにかく食べまくればレベルアップするので、食事さえ怠らなければ、どんどん強くなる。苦労していたワニだって、噛みつき+振り回し攻撃で一発KO出来るようになる。
しかし、成長しても大変な相手は人間。悪名度が上がってくると、頑丈な船に乗ってダイナマイトまで投げてくる。水中生物に無双できるようになっても人間にはずっと苦労する。人類は、やはり強かった。
「じゃあ、人間のことは無視しとこう」と思うけど、そうはいかない。一定数の人間の犠牲や一定の悪名度がゲームの進行に必要になってくる。そこで難易度が上手く保たれている。

ゲームシステム
よくあるヒャッハー系のゲーム(『GTA』『PAYDAY』など)の「好き放題して人間殺しちゃうと取り締まられる」と仕組みはほぼ同じ。
ただ、サメにとっては、それが食事であり復讐という最大の目的。「遊び半分」とか「他の目的のために」というわけじゃない。
サメと人間という構図になったことで、他のヒャッハー系ゲームとは一線を画している。
私はヒャッハー系ゲームのヒャッハー部分に魅力を感じることが少ないんだけど、本作では設定や物語のおかげで人類への攻撃にハマった。
ネタゲームのように見えてしまうけれど、ちゃんと作り込まれている真剣なアクションアドベンチャーゲームなので、別にサメに興味なくても面白いと思う。

やり込み要素
マップはそんなに密度が高くなく、すごく広大でもない。洞窟や下水管はあるけれど、複雑なマップ構造でもない。
でも、地上でも活動できることで面白さが増している。
収集要素は地上にも設置されてて、サメが道路をジャンプしながら一生懸命進む姿には「何のゲームなんだ、これは」と笑ってしまう。窒息してしまう時間制限があるので、ウケつつも緊張感のある探索が味わえる。
サブクエストも散りばめられていて、サメハンター達との戦いも楽しめる。でも、サブクエストはターゲット撃破か特定の魚を一定数食べるといった似た内容ばかり。残念。
でも、本作は、最近の他のオープンワールドゲームみたいに超特大てんこ盛りボリュームではない。飽きてきたなーってなる前に終わる、いいくらいのボリューム。

グラフィック
サメの豪快なジャンプや獲物を上空に放り投げながらガブリッという派手な演出はかっこよすぎ。サメの恐ろしい姿も魅力的だし。
水面から見える景色も綺麗で、「あー、このリゾート地で遊びたい」。サメだけど。

サウンド
BGMあったっけ?というくらい音楽は感じない。いや、バトルの時はBGM流れてはいるんだけど。
それより、効果音の方が耳に残る。ガブガブガブッ、バシャーーーン(水面から飛び上がる音)、ドッガーーーン(突撃した船が壊れる音)。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
- サメになって暴れ回れる
- ネタ満載
- サメアクションにハマる
残念なところ
- 同じ内容のサブクエストばかり
- バグが発生する
オススメな人
- サメが好き
- B級パニック映画のノリが好き
- オープンワールドが好き
オススメではない人
- 残虐な描写が苦手
- ふざけたノリが嫌い
本作が好きならオススメRecommendation
本作と同じオープンワールドのゲームから特にオススメなタイトル

海中を泳ぐアクションにハマったらコチラも!ただし、本作とは全然ノリが違う癒しゲーム

Maneater マンイーター
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